English and Japanese petitions are here
インドは核不拡散条約(Non Proliferation Treaty, NPT)の批准を拒否し、1974 年、1998 年には核実験をおこない、さらに、依然として核兵器の材料物質の増産を進めている核兵器保有国です。
一方で、インドは古くから原子力の民生利用を追求してきた国でもあります。今も、13 億を超える膨大な人口や急激な経済成長率により伸び続ける電力需要を、原子力で対処しようとしています。しかし、インドの原子力開発には海外からの協力が不可欠であり、1974 年の核実験以降途絶えた海外との原子力協力を、インドは強く求めています。
1970 年に発効したNPTは、締約国に対し核軍縮と核不拡散への努力を約束させ、一方で原子力の民生利用の権利を締約国の奪い得ないものとして認める条約です。この核軍縮と核不拡散、原子力民生利用の権利の関係は一般にNPTのグランドバーゲンと呼ばれていますが、逆に言えばNPTは締約国に対して、核拡散につながる国や、核軍縮に協力しない国に対しては、原子力の民生利用を認めず、原子力にかんする協力をしないことを求めているということでもあります。
しかし、インドはNPTが米英仏露中にのみ核兵器保有を認めている差別的な条約であるとして、加盟していません。さらに核兵器を保有し、核軍備を増強させてすらいます。
こうした国であるにもかかわらず、現在、インドは米国をはじめ複数のNPT加盟国と、原子力の民生利用の協力に必要な協定を締結しました。
そして今、日本とも同様の協定締結交渉をおこなっており、安倍首相が12月11~13日に訪印する際、日印原子力協定の調印が行われる可能性があります。
現在、インドでは、日米欧による50基の新規建設計画が浮上し、このうち3ヶ所で三菱、東芝、日立が関与しています。しかし、こうした新規建設計画の多くは日本との原子力協定が締結されていないために、日本製の原子力資機材の輸入ができず、すすんでいません。
また、日印原子力協定締結は、日本が核実験禁止条約(NPT)に加盟しない核兵器保有国インドの核軍拡を容認することにもつながります。
この協定は原子力輸出に繋がるのみならず、インドの核兵器保有と核軍拡を認めることになり、南アジアの、ひいては世界の平和にも脅威となります。
ぜひみなさま、安倍首相宛の以下の国際アピールへの協力をお願い致します。
この問題については、原子力資料情報室では、調査レポート「日印原子力協力協定の締結による世界の核拡散への影響」を発表しております。合わせてお読みください。
日印原子力協定に反対する国際アピール
日本国総理大臣安倍晋三様
私たちは、貴方のニューデリー訪問時に署名されると伝えられる、日印原子力協力協定の締結に強く反対します。
この協定を締結すれば、これまで核廃絶を繰り返し提唱してきた被爆国日本が、核不拡散条約や包括的核実験禁止条約に加盟する意思もなく、核軍拡をつづけるインドに、原発・原子力技術を輸出できることになります。今年は被爆70年にあたりますが、核不拡散条約運用検討会議は最終文書に合意すること無く終了しました。このような状況下で、この協定を締結することは、世界ならびに日本の核廃絶の努力に致命的な影響を与えるのではないかと私たちは懸念しています。
また現在、インド政府は原子力発電所に懸念を持つ地元住民などを弾圧しています。原発は繰り返し深刻な事故をおこしており、地元住民が原子力発電所の安全性に懸念を持つのは当然です。そのような懸念を力で抑圧しようという政府の姿勢は、まさに非民主主義的な態度だといえるでしょう。日本がインドとの原子力協力協定を締結すれば、こうした非民主主義的な抑圧に日本が加担することつながります。
日印原子力協力協定は極めて問題がおおく、締結するべきではありません。私たちは日印原子力協力協定を締結しないこと、交渉は中止することを、強く希望します。
呼びかけ団体:
ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン(No Nukes Asia Forum Japan)、コアネット(Civic Action against ODA and Export of Nuclear Technologies/COA-NET)、原子力資料情報室(Citizens’ Nuclear Information Center)、ピースボート(Peace Boat)、NPO法人ピースデポ(Peace Depot )、国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)
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