益岡 賢
2005年11月18日
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http://www.jca.apc.org/%7Ekmasuoka/
Specifically:
Colombia/コロンビア
http://www.jca.apc.org/%7Ekmasuoka/places/colombia.html
Iraq/イラク
http://www.jca.apc.org/%7Ekmasuoka/places/iraqtop.html
Afganistan, Palestine-Israel, East Timor, U.S., Latin America
アフガニスタン, パレスチナ/イスラエル, 東チモールおよびインドネシア, 米国, ラテン・アメリカ/カリブ
http://www.jca.apc.org/%7Ekmasuoka/places/places.html
ジョン・ピルジャ, ウィリアム・ブルム, ノーム・チョムスキ
Pilger, Blum, Chomsky
ノーム・チョムスキ
http://www.jca.apc.org/%7Ekmasuoka/persons/persons.html
歴史を覚えていない者たちは同じことを繰り返すと言われる。これは正しくない。我々は皆、歴史を忘れる。重要なのは、忘れたことを再び見つけ出す方途があるかどうかである。よりはっきり言うならば、客観的な過去により我々が誠実であり続けることができるかどうかである。子供たちや研究者やおばあちゃんたちのために、コンテンツを収集して維持することで、それを行うのが図書館である。自由な社会はこの知識を前提とする。
Lessig, L. 2004. Free Culture. New York, Penguin. p. 109.
このところ、かなり異様な事態がまかり通っている。その場しのぎの嘘とごまかしを次々と持ち出して、平然とやり過ごすこと。もちろん、以前から事態は同様であったけれども、私が気づかなかっただけという可能性もあるけれど。
いくつかのサンプルをあげよう。
1. イラク侵略
米国は、当初、イラクを侵略する理由として、サダム・フセインの「大量破壊兵器」をあげていたはずだった。もちろん、そんなものはなかった(もしあったなら米国も侵略を控えていたかもっと慎重だったはずである)。もちろん、大量破壊兵器をイラクが保有していたとしても、米国のイラク侵略は国際法違反の犯罪である。
それが早々と通用しなくなって、米国はアルカーイダとのリンクも持ち出した。世俗政権のサダム・フセイン(フランク・シナトラとスコッチ・ウイスキーが好きらしい)とアルカーイダとは敵対関係にあった。これを主張するために持ち出した嘘もはやばやと暴かれ、通用しなくなった。もちろん、仮にリンクがあったとしても、米軍のイラク侵略は国際法違反の犯罪である。
それらが通用しなくなって困ったために米国が持ち出したのが、「イラクを解放し、民主主義をもたらす」という驚愕すべき口実である。イラクを解放して民主主義をもたらすためにイラクを侵略し占領する?
第一。論理的に成立しない。「占領は解放である」??? 「おまえを生かすためにはおまえを殺さなくてはならない」と言う主張の論理的破綻と、限りなく近い。
第二。現状がまったくそれを裏切っている。イラクの現状について、イラクの多くの人が、サダム・フセイン支配下よりも悪化したと語っている。ファルージャをはじめとする多くの都市で、クラスター爆弾や白燐弾を用いて民間人を無差別に殺してきた米軍。この世の苦しみから「解放」するという、考えるだけでも具合が悪くなりそうな悪辣な冗談でも言わない限り、これは「解放」ではない。
「民主主義」? ブレマーが一方的に発布した政令でイラクはがんじがらめになっている。メソポタミア文明の昔から連綿と引き継いできた農業のための種子の利用を禁じ、モンサント社などの遺伝子組み換え種子を買って育てることを強制する政令を出したのは、占領者である。ここにイラク人の意志などみじんも反映されていない。
それにもかかわらず、日本の少なからぬ大手新聞は、「憲法制定」をめぐる「国民投票」などを、あたかもイラク民主化の一歩であるかのように報じた。
二つの、メディア上で意図的に仕組まれた忘却がこの犯罪を支えている。第一は、イラク侵略の理由は「大量破壊兵器」や「テロリストとのリンクにあった」という、それ自体イカサマな主張の忘却。
第二は、歴史上これまでもずっと、極めて多くの場合、侵略者は自らを「解放者」と称していたことの忘却。どんなに破壊と略奪と殺人を行なっても。どんなに人々を苦しめても、侵略者は自らを「解放者」と称してきた。
ナポレオン、チャーチル、スターリン、ヒトラー、そして日本のアジア侵略。
日本の過去を美化する人物を外相とする国が、米国によるイラク侵略と占領、人々の殺害に加担し、占領軍の使いっ走りを派遣している状況は、「歴史を忘れたものは過ちを繰り返す」という図式にあまりによく合致する。
2. イラクでの白燐弾
当初、米国は、白燐弾など使用していないと言い張った。
それでごまかすことができなくなると、今度は、白燐弾は照明弾として、煙幕として用いたのであり対人利用はしていないと叫んだ。
さらに、米軍自身が報告書の中で白燐弾を人に対して用いたことを認めた。ただし、戦闘員に対して用いたのであると(それも犯罪である)。
民間人に対して用いたという証拠は多数ある。今のところ、米国は「戦闘員」を「乳児であれ幼児であれ老人であれ非武装の女性であれ誰であれ、米国および同盟軍が殺した相手」と定義しているようなので、白燐弾を用いた相手は戦闘員であると強弁している。
その定義には無理があるから、通用しなくなるときが来るかも知れない。そのとき、米国は、「白燐弾は無害だ」と言うかも知れない。米軍は白燐弾が相手に与えるダメージを賞賛しているけれど、たぶんその頃までには、みんなそれを忘れさせられているだろうから。
関連する記事は、こちらやこちらにあります。ほかにもFalluja, April 2004でフォローしていますので、ご覧下さい。
3. 小泉改革
あまり沢山ありすぎて困るが、国債発行を抑えるという公約。小泉政権第一期で、国債長期は約640兆円から740兆円へと増加した。
ところで、2005年9月の選挙に際しての小泉自民党のキャッチフレーズは「改革を止めるな」。これまでの方針をそのまま悪化させることが「改革」というのは、「解放するために侵略する」というのと同じくらい、無理がある。
にもかかわらず、大手メディアは、選挙の際、これをはじめとするさまざまな観察点を体系的に繰り返し読者にわかるように提示することを避け、この5年ほどのつい最近の歴史を抹消してきた。
4. 地球温暖化
記録してあった資料が今、手元にないのできちんとした参照はできないが、1990年前後には、ニューズウィーク誌等の主要な雑誌もメディアも、地球温暖化などは起きていないと主張することが流行だった。
その後、地球温暖化が進んでいることが否定しようもなくなると、今度は「地球温暖化は我々の生活に打撃を与えはしない」という論調が目につくようになった。
今は、地球温暖化対策ビジネスが流行している。
教訓と自戒
ブログやウェブでも、ともすると新しいトピックを追いがちなので、定期的に、あるトピックの以前の状況を見直すよう、気をつけなくては。
■11月20日:「プーチンはチェチェン戦争をやめろ!デモ」
12:00-12:45 豊島区・池袋駅東口駅前にて、デモ実行委によるアピール。
13:30-14:30 中池袋公園に移動。中池袋公園にて、チェチェン、アイヌ個別集会
14:30-15:00 チェチェン、アイヌ合同集会
15:00-15:30 デモ(中池袋公園を出発。豊島区周辺でデモ)
15:30〜 交流会
※短いデモです。ぜひご参加を!チェチェン紛争の背景については、こちらをご覧下さい。
■12月11日(日):「ピークオイル論」をめぐる話
小さな公民館で益岡が「ピークオイル論」についての話をします。
日時:12月11日(日) 18時15分〜
場所:文京区立 本駒込地域センター 和室B
定員:18名
参加費 : 500円
※主催は、エコロジー雑貨ももんがさん。事前予約制です(12/4(日)締切)。なお、予約は、益岡にではなく、上記ももんがさんのHPのメールフォームから、あるいはエコロジー雑貨ももんがの右下「mail」からお願いします。
■PEACE ON ハニさん来日の賛同募金をお願いします!
PEACE ONさんが、「イラク 混沌からの光」というテーマでイラク人画家とPEACE ONの現地職員を日本に招き、展覧会やアートライブ、講演などを行います。11月17日の段階でまだ賛同募金、必要額の半分程度ということで、募金を募っています。ぜひご協力下さい。
■アジア・太平洋戦争を忘れない
泰緬鉄道(死の鉄道)元ロウムシャ
マレー系マレーシア人の証言集会■
マレー系マレーシア人は、戦後60年の今まで、沈黙を続けてきました。今年マレーシアで、華人系8・15集会に、マレー系の方々が同席(初めて!)、30年マレーシアに通って、初めての光景だった(高嶋伸欣先生談)。そんなドラマから証言集会が生まれました。
日時:12月10日(土)午後3時(2時半開場)
場所:サポートセンター2階ホール(横浜駅西口徒歩4分)
証言:アフマド・ハムザさん&ワン・ママさん(ともにマレーシア)
講演:高嶋伸欣さん(琉球大)
永瀬隆さん(元通訳)
資料代:1000円(高校生以下無料)
呼掛人:石田甚太郎・笠原十九司・川田龍平・信太正道・高嶋伸欣
高良真木・俵義文・中原道子・西野瑠美子・林博史・前田朗(敬称略)
主催:アジア・フォーラム横浜
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