Reflections on Al Gore's "An Inconvenient Truth"
年末のテレビ番組や新聞では、2006年のニュースを振り返っていたが、新年には「こんな社会になるといいな」と思う理想を掲げ、そうした社会を実現するためには今何をすべきか、未来から現在に逆算して考えることを提案したい。
もし、将来の子どもたちに美しい自然を残したい、と思うなら、映画『不都合な真実』を観てもらいたい。米国の元副大統領、アル・ゴア氏を主人公にしたこ の映画は、温暖化による環境破壊と人類の危機を訴えるゴアの精力的な活動を追ったドキュメンタリー映画だ。全米での興行成績も好調で、「タイム」「ワシン トン・ポスト」などの有力紙がこぞって大絶賛したという本作品は、日本では1月20日より公開される。
2000年の大統領選挙でブッシュに敗北したゴア氏はその後、米国や欧州、アジアなどで温暖化問題についての講演を行い、解決に向けた行動への参加を聴衆に呼びかけてきた。このゴアの講演の模様が映画の大部分を占めている。
科学的なデータを随所に用いたゴア氏のプレゼンは、無駄のないトークとユーモアのあるジョーク、空間を効果的に使った演出がちりばめられていて、お見事としか言いようがない。30分ちかく話つづけるゴア氏の姿を映画は映し続けるが、観る者を全く飽きさせないのだ。
ゴア氏が明らかにする環境破壊の実態は衝撃的であり、人々は「もっと知りたい」とスクリーンに身を乗り出すことだろう。今後50〜70年の間には氷が解 けて消滅するといわれている北極や、年々減少するキリマンジャロの雪の映像。温暖化によって、ニューヨークは海の底に沈み、世界各地の環境破壊によって今 後、20万人もの難民が大移動するとゴア氏は指摘する。
それにもかわらず、この映画は見るものに希望を与える。それは映画を観た私たち1人1人が、この問題を解決する担い手であることに気付かせてくれるから だ。映画のエンディングでは、地球環境を守るために1人1人ができる「(私にできる)10の事」が提案されている。「過剰包装、レジ袋を断ろう」「こまめ に蛇口をしめよう」など、すぐに始められる「10の事」は、映画の公式ホームページでも見ることができる。
生活のなかで取り組めること以外に映画では、「環境問題に熱心な政治家に投票しよう。そうした政治家がいない場合は、自分が選挙に出よう」とも呼びかけ ている。ゴア氏によると、政治家は環境問題の存在を認めれば法制化に動かざるを得ないため、問題の存在を認めたがらないのだという。温暖化の解決策があっ ても、政治的な意思が欠如している現状を訴えている。
政治家の重い腰を上げるには、まずは有権者である私たちが周囲の人々に環境危機について伝える。そして真剣に環境問題に取り組んでいる政治家を支援して いくことだろう。10の提案の最後には、「『不都合な真実』を見て地球の危機について知り、友に勧めよう」とある。この映画を多くの人に見てもらい、知識 を行動に移してほしいと思う。【了】
■関連情報
『不都合な真実』関連情報
映画の予告や、「私にできる10の事」は以下のサイトで。
『不都合な真実』公式サイト: www.futsugou.jp/
ニール・ヤングの「LIVING WITH WAR TODAY」サイト内にある「AFTER THE GARDEN」という曲のPVでも、『不都合な真実』で使われている映像が見られます。
neilyoung.com/lwwtoday/
「AFTER THE GARDEN」ダウンロード:
quicktime neilyoung.com/lwwtoday/lwwvideos/afterthegarden_qt.html
windowsmedia (音が出ます) neilyoung.com/lwwtoday/lwwvideos/afterthegarden_wm.html
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originally published on news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2955953/detail
(C) パブリック・ジャーナリスト 奥田 美紀【 東京都 】
republished with permission of author
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